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後期高齢者のわが母をもうすぐ前期高齢者になるわたしが病院に連れて行く時の心がけ「トイレの事前確認は念入りに」

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井上靖さんの小説『わが母の記』は50代から60代後半までかけて80代の母親のことを書いたものだという。還暦を過ぎたばかりのわたしと米寿前のわが母を思わせる年齢だ。わが母は認知症とまではいかないが、年々物忘れがひどくなり判断力も鈍ってきた。

10年前には、わたしが車で病院まで送れば自分で受付から会計まで済ませて「終わったよ」と電話をかけてきたら、また車で迎えにいくという段取りだった。ある日、母親を迎えに行って無事帰宅した後、病院から電話があり「会計が済んでいない」と聞いた時はショックだった。

今では歯科医、整形外科に通うわが母を車に乗せて行ってずっと着いて回らねばいけなくなった。受付や会計の心配もあるが、数年前から歩くのに一苦労するようになったため付き添わないとどこで転倒するか不安だということもある。

後期高齢者の母親を病院に連れて行く時の注意ポイント

ちなみに65歳から74歳までを「前期高齢者」、75歳以上を「後期高齢者」と呼ぶそうだ。わが母は立派な後期高齢者でわたしはさしずめ「前期高齢者見習い」というところか。

母はトイレが近いので尿とりパッドを愛用している。以前、入院した時に介護用の紙おむつを使ったが、退院してからは「そこまでしなくていい」と紙おむつを拒否。もっぱら尿とりパッドを自分で下着に入れて使っている。

トイレには自分でいけるのだが、外出するときは自宅と勝手が違うのでできればトイレに行く回数は減らしたい。そこで「トイレは行った?」と事前に念を押すと「さっき行ったばかり」と言うので安心していたところ、後悔したのは一度や二度ではない。

今日も整形外科で骨粗鬆症(骨粗しょう症)予防の点滴を打ってもらうため病院に連れて行ったのだが、家を出る前に「トイレに行っといたほうがいいよ」と声を掛けたところ「さっき行った」と母。不安もあったが強引にトイレに行かせるわけにもいかず、わたしはその言葉を信じた。

病院に着いたのが朝8時20分、予約が8時30分で思ったより早く40分頃には整形外科の先生に診察してもらい、それから点滴を打ってもらった。20分から30分ほどかかるのでわたしは待合室で本を読んでいたところ、扉が開いてわが母が出てきた。

「もう終わったのか」と思ったのも束の間、母は点滴スタンドを押しながら出てきて「トイレはどこか?」と探しているのだ。「やっぱり我慢できなかった」と微笑む母をたしなめるわけにもいかず、トイレの入り口まで連れて行ったのである。

病院だけでなく外出するとき時にはくれぐれも「トイレは大丈夫か」「念のためにもう一度行っておいたほうがいいんじゃない」としつこいぐらいに確認することを心がけたい。

 

※トップ画像は『イラストAC「お年寄り」作者:くりまんさん』より